スプリングバンク その2
前回の記事「スプリングバンク」でご紹介した3つのシングルモルト、SPRINGBANK, HAZELBURN, LONGROWその違いを少し調べてみた。
目次———————————————
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1. スプリングバンク蒸留所とは
ブランドを知るには、まずは蒸留所を知ることから。基本情報をまとめてみた。
スプリングバンク蒸留所の基本情報
エリア:キャンベルタウン
設立:1828年
オーナー:スプリングバンク蒸留所(会社名:J&A Mitchell)
生産能力:750,000L
(スプリングバンク公式サイト Springbank distillery official website)
2. スプリングバンク蒸留所の歴史
調べてみると、いろいろな困難期を乗り越えていることがわかった。創業後、他の蒸留所同様に、景気の影響を受けて操業停止したり、再開したり、シングルモルトに特化したりして、それらの経験が現在に活かされています。
主な歴史:
1828年:The Reid Familyにより設立
1837年:Jone&William Mitchellにより買収(創業者資金難)
1897年:J&A Michell株式会社設立
1926年:不景気により操業停止
1933年:操業再開
1979年:蒸留所閉鎖
1985年:LONGLOW発売
1989年:蒸留再開
1997年:HAZELBURN発売
3. スプリングバンク蒸留所の特徴
原料となる大麦の精麦から仕込み、発酵、蒸留、熟成、ボトリングまで、全工程を一貫して自社で対応していることが特筆すべき点。
また、他の蒸留所がオートメーション化、製造効率化を図るなか、ハンズオンでの製造を心がけ、プロの職人による独自の職人技に支えられている。
一見非効率にみえるが、職人のこだわりによる品質管理を心がけており、素晴らしい高品質のブランドと商品は、多くの人の手により維持されているのだ。
設備は、3.5トンのステンレスマッシュタン、6種のウオッシュバックによる110時間の発酵、蒸留は初留器と2種の再留器からなり、後述するシングルモルト別に蒸留回数が異なっている。
4. 3つのシングルモルトの個性
3で説明した製造工程を経て(その後の熟成を経て)出来る3つのシングルモルト。その特徴は、精麦によるフェノール値の違いと、蒸留回数、ピートの含有による。
①SPRINGBANK:フェノール値は12-15ppm、蒸留は2.5回、ピート(6時間炊き、30時間乾燥)
②HAZELBURN:フェノール値は50-55ppm、蒸留は3回、ノンピート
③LONGROW:フェノール値は50-55ppm、蒸留は2回、ピート(48時間炊き、30時間乾燥)
SPRINGBANKは製造量の8割を近く占めている。
(スプリングバンク公式サイト Springbank distillery official website)
このような違いによって、3つの素晴らしい個性が生まれている。
こういう製造過程やブランドの特徴を知ってから飲むと、より一層楽しみが増えてくる。
みなさん、今宵も美味しいウィスキーを!
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